住宅ローン

マイホームをライフプランから考える

人生最大の買い物と言えるマイホーム。

購入をご検討されている方は、まさにマネープランの中でも最大のイベントではないでしょうか。

夢を負担なくかなえるためにも、資金、将来のローンの返済計画をしっかり立て、ライフプランの一環としてとらえる事が重要です。

資金準備 物件価格の3割が目安

ステップ1・資金準備
頭金の準備
住宅を購入する場合、ほとんどの人が住宅ローンを利用する事になります。
ローンの頭金としては物件価格の20%程度が必要となります
当初諸費用の準備
物件以外にも諸費用が掛かります。
思わぬ出費にあわてないため諸費用も入れた資金計画を立てます。
不動産取得税のような初めにかかる一時的なものもあれば、固定資産税など毎年かかるものもあるので長期のローン返済において考慮が必要です。
またマンションでは管理費、修繕積立なども考慮にいれます。諸費用として、新築住宅の場合は物件価格の3〜7%、中古住宅の場合は仲介手数料が掛かるため物件価格の7〜10%を目安に考えると良いでしょう。
費用項目
物件関係 ローン関係
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 仲介手数料
  • 修繕積立基金不動産所得税
  • 固定資産税
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 事務手数料
  • 保証料
  • 団体信用生命保険
  • 火災保険料
ワンポイントアドバイス

住宅はとても大きな買い物です。さまざまな手数料・税金等で思ったより大きなお金が必要になります。おおよそ、最低でも物件価格の約3割の金額を初期段階で用意することが望ましいでしょう。財形貯蓄などを利用して計画を立てて貯蓄しましょう。

あなたに合ったローン商品を選ぶ

ステップ2へ・住宅ローンを選ぶ
住宅ローンの返済の2つの方法
元利均等返済 元金均等返済
元金と利息の合計額が毎回一定となるような返済方法 毎回一定の元金を返済して、毎回の残高に応じた利息を支払う方法
元利均等返済 元金均等返済
全期間にわたり返済額が均一で生活設計がしやすい。当初利息の支払い額が多く、元金均等返済にくらべ残高の減り方が遅い。 当初の返済負担額が多く、時とともに減少する。残高の減り方が元利均等返済よりも早い。
金利の3つのタイプ
変動金利型 固定金利型 固定金利選択型
変動金利型グラフ 固定金利選択型グラフ 固定金利選択型グラフ
固定金利よりも金利水準が低い。金利が上昇した場合金利リスクがあり、大きい場合未払い利息が発生する恐れがある 返済額が変わらないので生活設計が立てやすい低金利局面で借り入れると全期間低金利のメリットが享受できるうえ、金利リスクがなく有利 比較的低い金利で支払い額が安定する。固定金利期間中は、変動金利に変更できない

ローン商品を比較してぴったりの商品を選ぶ

宅金融金庫の廃止に伴い、新しく設立された独立行政法人住宅金融支援機構は「フラット35」を住宅金融公庫が引きづき取り扱っています。これにより民間金融機関の住宅ローン責務が可能になりました。
民間金融機関独自の金利以外の付加価値をつけたローンも商品もあり、ひと昔前から比べると多種多様な選択肢があります。
住宅ローンの負担は金利のほか、保証料や団体信用生命保険料、事務手数料などがあります。それらを総合して、各ロ商品を比較しぴったりのローン商品を選びましょう。

ワンポイントアドバイス

住宅ローンの負担は、金利だけの比較では意味がありません。
金融機関によってその取扱が異なり、保証料が不要であったり、団体信用生命保険料が金利に含まれるものとそうでないものなど、その他ローン商品は多様化しています。総合的に比較、判断することが必要です。

無理なく購入できる物件の価格を検証する

ステップ3へ・マネープランから考える購入可能な物件算出

住宅購入の際は、住宅ローンを利用して購入することになりますが、その時、ローンはいくら「借りれるか」ではなく、「返せるか」という視点が重要です。無理なローンを組むと、長期に渡り家計を圧迫してしまいます。教育費・老後の準備など、起こりうるライフイベントにかかるお金を考え、長期的で広い視点で見たマネープランの一環として住宅購入をとらえる事が、無理のない返済プランを立てる要となります。

購入可能物件価格と、返済負担限度額を検証しましょう

ケース1支払える金額から、購入できる物件の価格を計算する
家計の負担限度額 → 借入可能額  =  購入できる物件価格銀行は返済負担率(注1)や担保掛目(注2)から借入可能額を計算しますが、それは決してそのローンが返済可能であるということを保障するものではありません。
  • (注1)返済負担率…年収に占める年間返済額の割合を言います。
    (銀行の審査において、返済負担率は安全度を見込んで融資利率よりも高い審査金利(3.5〜4%台)を用いて算定します。)
  • (注2)担保掛目…担保評価額と借入額との比率をいいます。
ケース2購入希望物件価格から返済金額を計算する
希望する物件の価格 → 必要借入額  =  ローン返済額返済負担率を計算した際に、一般的に20%〜25%以下に抑える事が望ましいとされています

ライフプラン的な視点から、キャッシュフローを分析してみる

実際に年月の経過とともにお金のながれをシュミレーションしてみると50歳前に貯蓄が底をついてしまいますが、物件価格を減額するなどして改善したばあいは家計の健全な経済状態を維持しながら支払いをすませる事が可能になりました。
ワンポイントアドバイス

住宅展示場やマンションモデルルームを見ていると、どうしても夢が膨らんで家計以上の物件に目が行きローンの負担額を軽く考えてしまいがちです。暮らしのお金が住宅ローン返済ばかりで消えぬよう、冷静な判断で見る事がとても重要です。こんなときこそ、マネーのプロの目を借りながら、家計の無駄をなくしつつ、マイホーム購入を目指して無理のないプランを建てましょう。

ローンの見直し

ステップ3へ・繰上げ・借り換えローンの見直し

住宅ローンはかりたままにせず、ときどき残高や金利を確認して随時見直しをする事が必要です。

借り換えを検討する

新たに借り入れる住宅ローンの保証料や抵当権設定費用など、諸費用を差し引いてもなおメリットが無ければ意味がありません。一般的に固定ローンに借り換える場合、「現在残高500万以上・残存期間10年以上・借り換えによる金利低下1%以上」であれば借り換えのメリットがあるといわれています。また、変動金利型や短期の固定金利選択型で借りている場合、今後金利が上昇する事が予想される場合、将来返済負担が増大する事になりますから、長期固定金利のローンを検討してもよいでしょう。

繰上げ返済を検討する

毎月の約定返済とは別に上乗せして元金の返済を行い、利息相当分の負担を減らします。現在の残高全てを返済する「一括繰上げ返済」と一部だけ繰り上げ返済をする「一部繰上げ返済」と言います。一部繰上げにも、「期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。
期間短縮型 返済額軽減型
元金と利息の合計額が毎回一定となるような返済方法 毎回一定の元金を返済して、毎回の残高に応じた利息を支払う方法
期間短縮型の仕組み図 返済額軽減型の仕組み図
総返済額軽減の軽減には圧倒的に有利早めの繰り上げ返済が有利 現在の支払額が苦しい時に毎回の負担額を減らせる。機関短縮型に比べると総返済額軽減効果は低い
ワンポイントアドバイス

住宅購入はまさに長期戦です。支払いを開始してからも、定期的にメンテナンスしましょう。金利の動向によっては借り換えの検討をしたり、まとまったお金ができたら、返済にまわすことを考えたり、各諸費用などメリット、デメリットに注意を配りながら、少しでも負担を減らしていくことが大切です。生活や貯蓄のバランスを保ちながら、賢く無理のない返済をしていきましょう。